●国産オオクワガタ

学名:DORCUS.C.BINODULUS 生息地域:北海道を除く本州、四国、九州、生息地は局地的で里山、河川流域等、多産地として大阪府豊能郡能勢町、山梨県韮崎市が有名 寿命:2‐3年(大型の♂は長生きで人工飼育では3‐5年ぐらいが平均) 飼育は非常に易しくこれから始められる方にはもってこいです。 特徴:成虫はおもに初夏によく活動、日中はクヌギの洞に潜んでおり日没直後、深夜によく活動する。

幼虫飼育

飼育方法は菌糸ビン飼育、マット飼育、材飼育があります。それぞれの特徴は菌糸ビン飼育、短期間で簡単に大型が作れる(♂平均70o以上)短所は価格が高い。マット飼育、かかるコストが安い、条件の良いマットを使えば70oUPも狙えるが平均60o前後、短所はマットをしっかり詰めないと細めの個体ができやすい。材飼育、コストもそれ程かからず、美形の(大顎の形のよい)個体を作出できます。短所は材の選別が難しい、発育の状態が観察できない、広いスペースが必要となる等、ビギナーの方にはあまりお勧めできません。

菌糸ビン飼育ですが、使用する菌糸ビンは羽化まで同じ物を使用できる、安定供給をしているものを使用してください。PPビンでもガラスビンでも構いません。特に、PPビン製の物は夏場ビン中がかなり蒸れます。できればクーラーの使用等をお勧めします。孵化したばかりの初令幼虫をすぐにビンに投入せず、初令中期から2令になるまでまって投入してください。そうすることで初期での死亡事故は殆どなくなります。ビンへの投入はエタノール(薬局で売ってます)等で消毒したスプーンでビン上のキノコ、菌糸をとり、真ん中に幼虫が潜りこみ易いよう穴をあけその中に幼虫を入れれば完了です。後は暗くて夏場は涼しい場所に保管し、ビン周りの菌糸がなくなってきたら新しいビンに交換します。飼育中、ビン口にきのこが発生してきたら、消毒したスプーン等で取り除いてください。そのままにしておきますと菌糸ビンの劣化を早めたり、幼虫が酸欠になって☆になってしまうことがあります。

マット飼育とは添加剤入り発酵済マットを使用する飼育方法です。使用するマットは自作するのもよし、できあいの物を購入するのも良いかと思います。発酵済マットは10L/\1,000ぐらいから色々とあります。自作の場合発行済マットを購入するのに比べるとコストを半分もしくはそれ以下で作れますが期間一ヶ月ぐらい)と手間がかかります。自作する場合、大型の衣装ケース、ベランダストッカー等にクヌギ、ナラ等フレーク、添加剤、水を用意します。添加剤は色々ありますが、私は小麦粉(薄力粉)もしくはフスマを使ってます。作り方はケースに未発酵フレークを入れ、マット50Lに対して薄力粉約1,2kgぐらい入れ全体に混ぜあわさる様よくかき混ぜてください。混ぜ合わしましたら、水を加えます。水分量はマットを堅く握ってわれるくらいが目安で堅くにぎって水分が指の間からでるようでしたら多すぎます。失敗しない為、少しずつ加水していきます。できましたら、マットの中央を小山のようにもり、蓋をして25℃以上の所に保管して発酵させます。数日すると発酵熱でマットの温度は50℃以上にもなります。発酵温度が頂点に達して下がってきたら(7-10日ぐらい)4-5日おきにマットをよくかき混ぜます。もし、途中でアンモニア臭がしてきたら失敗です。理由は水分過多による雑菌の繁殖等ありますが、使い物にはなりません。完成したマットはすぐ使用する分以外は乾燥させて、風通しのよい所で保管しておいてください。発酵済マットの使用方法は飼育ビンにかちんかちんにマットを詰め、幼虫を投入し完了です。マットの中にフンが目立ってきたら新しいマットと交換します。交換時今まで使用してきたマットを10%くらい新しいマットに混ぜてやるのも良いかと思います。 マット飼育では約1年で羽化します。

材飼育では成虫になるまでの期間が平均1〜2年かかります。時間はかかりますが、その分材のなかでしっかり熟成される為、形のよいオオクワガタが作出できます。しかし、前述しましたように材の選択を間違うと2年経って羽化した♂が40oぐらいしかなってないという結果になってしまうこともあります。材飼育方法は飼育材が入るケースを用意します。次に飼育材をよく加水し、幼虫が潜りこみやすい様穴をあけてやり幼虫をを投入します。乾燥防止の為マットで飼育材を埋め最後に保湿シートを挿んで蓋をしてやればセット完了です。時折材をさわってみて、指でおしてへっこむ様でしたら内部が食べ尽くされてる可能性がありますので新しい飼育材に交換してあげてください。幼虫の投入は初令中期ぐらいで行ってください。

●成虫飼育

成虫飼育ですが幼虫から羽化したばかりを新成虫といいます。業者さんから購入された場合も殆どが新成虫でその年は産卵できません。羽化したての新成虫は生殖器が完成されておらず、交尾できるまで約5〜6ヶ月かかります。仮に6月羽化した成虫ですと温室等で加温してあげれば翌年2月ぐらいには交尾可能となります。飼育方法は基本的に♂♀別々の飼育ケースで飼います。セットの方法は飼育ケース(小でも充分)にマットを2〜3cmぐらい入れ餌は昆虫ゼリーをいれます。オオクワガタは転倒すると一人ではなかなか起き上がれない為、転倒したらすぐ起き上がれる様、割り箸、木の皮等入れておいてください。最後に保湿用シートをケースと蓋の間に挿んでセット完了です。新成虫はそれ程餌も食べませんが、時々チェックして餌が無くなっているようでしたら餌を補充してやってください。   

手にいれた成虫が野外で採集された物、成虫になってから6ヶ月以上経った物では産卵可能となります。産卵させる温度は20℃〜25℃がよく産卵します。(5月〜6月)産卵のさせ方は飼育ケースに先に♂をいれておきます。2‐3日経ってから♀をいれます。オオクワガタは比較的おとなしい性格で♀を殺してしまう様なことはめったにありませんがもし、心配でしたら♀を入れてからしばらく様子をみてください。本気で♀を挿んでかみ殺しそうな勢いでしたら、一旦♀を非難させ数日後又セットしてください。♂♀一週間ぐらい同居させ、その後♀は産卵用ケースに移します。産卵セットは飼育ケース特大、もしくは衣装ケースの中にマットを3cmぐらいひきます。その上に良質の産卵木(木質が悪いと産卵しません)3〜5本を充分加水したものをのせ、更に上からマットをかぶせてやります。産卵木の樹皮は剥いでやった方が良いという方もいらっしゃいますが、剥いでもそのままでもあんまり変わらない気がします。最後に餌ゼリーをいれてセット完了です。産卵セットしてから一ヶ月ぐらい経ちますと♀をケースより取り出します。そのままにしておきますと、自分の生んだ卵、幼虫を潰してしまう恐れがあります。♀を取り出してから更に一ヶ月おいてから割り出しを行ってください。取り出した♀は再セットするか、休ますかしてください。産卵で♀はかなりの体力を消費します。この時餌はバナナ、高蛋白ゼリー、カブト虫の蛹等を餌に与えて体力を回復させてあげてください。

地域によって違いますが、秋口になって気温が下がってきますと、潜ったまま出てこなく、時折出てきては餌を食べるとういう状態になってきますと越冬用セットしてください。セットの仕方はケースに少し多めに加水したマットを10cmくらい入れ保湿用シートを挿んでください。時折出てきて餌を食べることがありますのでゼリーを入れておいてください。後は時々チェックしてマットが乾燥している様でしたら霧吹き等で加水してやります。越冬中保管する場所はできるだけ家の中で一番寒い所に置いてください。ちゃんとセットできていれば翌年4月ぐらいには元気に顔をだします。

冒頭で述べましたがオオクワガタの飼育はそれ程難しいものではありません。一般的な飼育方法をここでは紹介しましたが、これを参考にして頂き、自身オリジナルの飼育方法を試すのも面白いかと思います。